駆け出しが意識しておきたいフリーランスの単価アイデア:特別料金枠

どうも内藤です。

今回も引き続き、単価や見積もりについてのお話です。

前回、フリーランスの工数見積もりが
月に60万〜120万だ、という話をしたと思います。

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駆け出しが意識しておきたいフリーランスの単価基準 どうも、内藤です。 今回はフリーランスの単価について書いていきます。 よく駆け出しのフリーランスがぶち当たる問題の1つに「単価、見積もり」というものがあります...

これはあくまで一般的なお話なので、
参考程度の値という認識でいてもらえれば
良いとは思います。

とはいえ、こういう基準があるだけでも、
精神的安定を得られる要素にも十分になるので、
紹介したのですが、今回はこれに加えて、
イレギュラー対応についてです。

普段、ある決まったタスクがあったとして、
そのタスクを処理するには、必要工数が存在します。

「バナー画像を作る」という仕事があったとしましょう。

それにかかるのが3日だと仮定します。

となると、それは3日の工数ということになるわけですが、
仕事をしているとイレギュラーな場面に遭遇します。

例えば、納期を2日でできないか。

例えば、金曜日依頼で、土日返上で動いてくれないか。

例えば、修正回数が決まっていたけど、もうちょっと修正して欲しい。

とか。

そーいうものです。

以前から、ルールはこちらから提示するもの、
という話をしてきましたが、
・納期がどれくらいなのか
・その納期でいくらで対応するのか
・修正回数は何回なのか

などは、自分の都合の良いように
設定して良い
んです。

ですから、事前にそれが共有できていて、
合意ができていれば、基本的には
そのルールの中で、求められたものを
提示していけば良い
んですね。

しかし、それでもルール外の
イレギュラーなシーンも出てくるものです。

その場合にぜひ導入して欲しいのが、

「特別料金枠」です。

考え方はどんなものでも良いでしょう。

例えば、深夜に依頼があって、
深夜に作業しなければいけない場合は、
深夜料金を導入するとか(タクシーとかやってますよね)

普段、土日休んでいるのに、
休日動かなければいけない場合は、
休日料金を導入するとか(大手の企業とかは、休日手当とかありますよね)

普段より納期が短い案件がきて、
受けることになる場合、
特急料金を設定しておくとか。(電車とかそうですよね)

色々。

そして、それらの見積もりは
「工数×N%」という発想で、
普段の見積もりに対して、
N%増しを設定しておくだけ
で、
かなり有効に値段を設定できます。

何%にするかは自分で決めれば
良いですが、内容によっては
30%〜50%増しでも良い
でしょう。

普段納品しているのが3日なのに、
1日で対応しなければいけない

もしそういう案件があるなら、
同じ料金でやる理由はありません。

なぜなら、

他の仕事の優先順位を落とさなければならない
・場合によってはその調整に時間を使う
・同じクオリティを出すために、時間を短縮することになり、
 そのために必要工程を飛ばす可能性がある、ミスが出るなどのリスクが発生する
・時間短縮をしたとしても通常稼働の時間以上に夜まで動く必要がある

などという結果になるわけです。

手が早い人であれば、問題はないのかもしれません。

ですが、人間の生活習慣を考慮すると、
通常やっているタスクを無理して、
長時間やると集中力は確実に落ちますし、
睡眠時間を削ると、今後に影響が出てきます。

たった数日のことかもしれませんが、
そうやって蓄積された疲労は回復までに
時間がかかることの方が多いですし、
精神的疲労も考えてしまうと、
僕はリスクの方が大きいと考えてしまいます。

じゃぁそこまで誰かのために
身を削って、普段と全く同じ料金で、
「時間だけを短くする」という特殊能力を
発揮する意味は到底あるとは思えない
のです。

しかも急ぎの案件に限って、
実際はそこまで急いでなかった、ということは
よくあることです。

仕事をしている人なら一度くらい経験したことありませんか?

そう、いわば、相手都合です。

ですから、せめて
「値段を上げて対応する」
ということをすれば、少なからず
報われることもあるでしょう。

まぁ

「そんな特急案件を受けたくない」

という話であれば、受けなければ良いのですが、
状況によってはそうもいかないこともあるでしょうから、
事前説明をした上で、堂々と特別料金枠を提示する方が健全です。

「そんなことをしたら仕事が来なくなる・・・」

もしそんな風に思うのであれば、
それは実際そうかもしれません。

でも、厳しい言い方をしますが、
たかだかその特別料金枠を提示して、
仕事が来なくなるようなクライアントなら、
一緒に仕事をしない方が良いですし、


特別料金枠だけで離れるクライアントは
あなたを都合よく使っているだけ
、かもしれません。

「技術が同じであれば、誰でも良い」

という話になってきますから、それは前回お伝えした通り、
頭を使わない価格競争を知らず知らずのうちにやっていた、
というだけかもしれません。

それは、あなたに落ち度があります。
気づけなかったことも、
頭を使えなかったことも、
全てあなたの責任です。

それがフリーランスという生き方なんじゃないかと
僕は捉えています。

そんな仕事は、あなたの貴重な時間を使ってまで
やる仕事ではなかった、という話かもしれません。

ちょっと値段が上がっても、
「やっぱりそれでもこの人にお願いしたい」
というポジションに行かなければ、
フリーランスである意味はないように思うのです。

「他の人とは少し値段は高いけれど
 あなたと一緒に仕事がしたいから、あなたにお願いしたい。」

そうなるために、
日々研鑽しつつ、技術を磨いたり、
人間性を磨いていく必要はあります。

それに、

「ただの数合わせである」

という事実ならそれはそれで
きちんと受け取った方が今後のためです。

もちろん、誤解しないで欲しいのが、
数合わせでもいいから、次に繋げるために、
特急料金など設定せずに、いろんな仕事をやらせてもらっている
という明確な意図があるなら問題はないでしょう。

ただ、なんとなく、

・人に嫌われるかもしれない
・もう仕事が来なくなるかもしれない
・生活がやばい

などという、
お金にまつわる恐怖に包まれているのであれば、
フリーランスなんてやらない方が良い
かもしれません。

言い方がキツくなってしまうかもしれませんが、

フリーランスは、
自分の得意を如何に相手に押し付けて、
相手の満足度を得られるか?
というゲームをしているようなものです。

それなのに、相手に主導権を奪われているのであれば、
そもそも戦い方を考えないといけないですし、
一旦、仕事から離れて、冷静になった方が良いと思うのです。

今回は「特別料金枠」という話ですが、
自分をきちんと守っていくルールを
定めていくのもフリーランスの勤めです。

自分にとって快適なルールを設定しつつ、
相手を満足させられる
自分の最大限のパフォーマンスを発揮できる状況を作れるか?を
日々、考えながら仕事をしていきましょう。

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