どうも、内藤です。
今回の話は、
仕事をしていく上で、
本質的な差別化をしていくためのお話です。
これができて、
ようやく本来の自分が歩むべき道が見えてくる、
と僕は理解しています。
逆にいえば、前回解説した
フェーズをこなすからこそ、
自分が人生で解くべき課題が見えてくる、
ともいえるかもしれません。
さぁそれはいったいなんでしょうか。
では、早速本編を始めていきましょう。
ビジネスをやっていると、
どうやって差別化戦略をすればいいか?と
イメージが湧かないことってありませんか?
デザイナーを名乗ったとすれば、
一体自分にどんな強みや弱みがあるのか、
なかなか特定するのも難しいですよね。
また、仮に特定できたとしても
本当にそれでやっていけるんだろうか、
という疑問はあるかもしれません。
今回は、差別化戦略について
少し理解を深めていく話題です。
差別化戦略をうまくやるにはどうすれば良いか?
というと僕は、
自分の人生における目的を取り出すこと
だと思っています。
この一文を読んで、
急にハードルが上がったと思うかもしれません。
まぁ上がりますよね。
「人生における目的を取り出す」
なんて正気の沙汰ではありません:笑
普通考えませんよね。
ただ色々考えて取り組んでいくと
やっぱりそういう部分に足を突っ込んでいくことに
なるなぁという実感をよく感じるのです。
機能的価値と情緒的価値の違い
いきなり答えを書いても
イメージが湧かないと思うので、
まず、差別化戦略をしていく上で、
重要になる、
機能的価値と情緒的価値について話をします。
この話は聞いたことがあるかもしれません。
機能的価値とは、男性的なもので
製品やサービスの機能・性能に対する価値のことを
いいます。
要は、安い、早い、上手い
みたいな感じですね。
・価格
・納期
・品質
・機能性
などなど。
例えば、冷蔵庫なら
消費電力、容量、野菜室があるのか、
製氷機能はどうか、
みたいな感じです。
スペックといってもいいでしょう。
スマフォなら、
・メモリ容量
・充電バッテリー容量
・カメラの画素数
などです。
これがクリエイティブの仕事なら
納期通りにやってくれる
求めているものを的確に納品してくれる
値段も安い、お手頃
返信が早い
柔軟に対応してくれる
といったことです。
こういった機能的価値というのは、
同じようなスペックになりやすいですから、
結果的に、価格競争に巻き込まれやすいという
特徴がありますね。
少なくとも、
物質的な豊かさを求めていた時代では、
この機能的価値が重要視されたわけです。
一方で、情緒的価値とは、
女性的なものです。
その製品やサービスから
受ける印象に対する精神的な付加価値のことです。
ピンとこない人向けに書くと、
商品やサービスを得ることで、
幸福感、優越感、ワクワクする感覚みたいなものですね。
かなり感覚的なものです。
例えば、冷蔵庫なら
デザインやドアの質感
アップルの製品なら、
・ジョブズの人間性かカリスマ性
・箱の包装されているあの雰囲気
・appleで完結させようするプロダクトイメージ
などなど
ブランディングされたサービスや
会社をイメージすればわかりやすいかもしれません。
よく言われるのは、
ブランド品の服は機能的価値は全然ないけど、
このブランドだからとても好きみたいな話ですね。
要は「世界観が好き」というやつです。
こういう、顧客の情緒(感情)に
訴えるもののことを指すわけですが、
最近は、物質的な豊かさではなく、
精神的な豊かさを求める人が増えてきているので、
面倒なことでも自分が作りことに意味がある、
と思えるようなサービスも情緒的価値が高めの
サービスと言ってもいいかもしれません。
また、例えばクリエイティブの仕事なら
メッセンジャーでのやり取りの雰囲気や
実際に会った時の雰囲気や丁寧さ、
話しかけやすさ、みたいなものが該当しますし、
デザインやイラストなどであれば、
作品そのもののテイストが情緒的価値ともいえます。
あるアニメの会社の社長さんが、
表現していたことですが、
クリエイティブ関係の仕事であるなら、
こんな表現にも可能です。
機能的価値は工場性
情緒的価値は作家性
情緒的価値とは、資本主義では、
なかなか評価されづらい部分ですが、
今の時代はだいぶ変化してきています。
この人の雰囲気がいいから、
お願いしよう、という
機能よりも情緒で仕事を依頼する人も
かなり増えている印象僕はを持っています。
そういう点で、わざわざ相見積もりをする業者も
減ってきているのでは?と思ったりします。
ここまでで機能的価値、
情緒的価値の話をしてきましたが、
ことクリエイティブ職なら、どちらも重要です。
なぜなら、ビジネスの場合は
あくまで問題解決という、
機能的価値を土台にしつつ、
情緒的価値があるからです。
つまり、デザイナーなら、
デザインができなければ、
仕事になりませんし、
映像クリエイターなら映像が作れなければ
仕事にならないのです。
これが単にお金を得るだけであれば、
情緒的価値の比率が高くても
成り立つ時代になりつつありますが
それは職を考えると
成り立つもの、成り立たないものがありますから、
注意はしましょう。
で、クリエイティブ職において、
差別化戦略をしていく上では、
情緒的価値、つまり、
「作家性(自分らしさ)」や
「顧客が感じる仕事のしやすさ」を
どれだけ発揮できるか?が
ものすごく重要なポイントです。
「作家性」がまだない場合は
意識すべきことは
「顧客が感じる仕事のしやすさ」が
1つの武器になるでしょう。
それこそ、女性性をどれだけ発揮できるか?
がものをいうようなものです。
機能的価値という物づくりができなければ、
話になりませんが、すごいものを作れたとしても
実はそれだけでは差別化は難しいものです。
それは「モノ」や「コト」単体では
差別化が難しいとはよく言われる話と同じですね。
今の時代、デザイナーはめちゃくちゃいますし、
映像クリエイターもかなり増えました。
しかもAIの登場によって、
機能的価値を使った差別化は、
しづらくなっていくでしょう。
テキストを打てば
・画像生成ができる
・動画が作れる
・音楽が作れる
・WEBサイトが作れる
・ロゴが作れる
それっぽいものが
AIで簡単に生成できてしまう時代では、
スキルの熟練度そのものが
機能的価値に相当しますから、
機能的価値だけで勝負するというのは、
純粋に熟練度勝負をすることになります。
そしてそのほとんどが
AIでカバーされるようになるのであれば、
今後はより情緒的価値の方の比率が
上がっていくでしょう。
それこそ問題解決という場においては、
特に人しかできないことに
フォーカスが当たります。
ですから、今以上に、
相手の気持ちを汲み取ったり、
話しかけやすさ、気軽に依頼しやすいこと、
好き、なんかいい、
という雰囲気が重要になってくるものです。
極端なことを言えば、
「仲がいい」
ってだけで、仕事は成立してしまうものです。
「コミュニケーションのとりやすさ」
は武器ですから。
これは誰にでも
頼めるようなことになってきているからこそ
あるいは、物質的にいつでも
どこでも得られるからこそ、
情緒的な部分が優先されているとも言えますね。
機能的価値を引き上げるには?
先ほども書きましたが、
クリエイティブ職においては、
問題解決ができる必要はあります。
つまり、ものが作れることが大前提です。
そして、それがいかにスピーディーに
要求を実現し、約束されるのか?
ここにフォーカスがあたりします。
そのために必要なスキルなどを、
身につけて、できることに値段をつけて、
外に出て営業していく、という序盤のことを
やる必要はあります。
時間を圧縮してタスクをこなして、
人との約束を厳密に守っていく。
またそれだけではなく、
時間があれば、日々の鍛錬を積んでいく
ということも必要です。
日々の鍛錬やよくなっていく
繰り返しの改善活動によって、
どんどんブラシアップしていく。
クリエイティブ職なら
こういうことをやっていくのが
一般的ですから、
スキルアップが好きな人じゃないと
まず続きません。
だから、以前紹介したフェーズ0の
一番初めが肝心なのです。
好きなことやってますか?
のめり込むことやってますか?
なりたい自分に近づけてますか?
それがないと、
機能的価値の限界値は
すぐにやってきます。
やる気がなくなれば、
もうそれまでですから。
日々楽しく研鑽している人に
敵う訳ありません。
情緒的価値を引き上げるには?
一方で、情緒的価値を引き上げるには、
自分の感情をバロメーターとして、
なぜ自分がやるのか?を明らかにして
いくことが何よりも重要です。
要は、使命を持ちながら、
サービスや製品に還元していくことです。
情緒的価値というのは
好き、共感、満足感、憧れ、誇りなどを
重要視していることで、
こういう感情移入するようなものは
どこからくるのか?を
知っておく必要はあります。
人の成長プロセスを今回も出しますが、
身体があり、感情があり、思考が動く。
という順番です。
自然であれば、この順番の通りに動くものです。
逆に動かないのであれば、
何かが抜けているのです。
情緒的価値とは、
身体的なセンサーから得られた五感での体験から、
感情が沸き起こり、それが「何か?」という
概念が生まれるところから始まります。
つまり、サービスや商品に触れて、
顧客が五感で体験をし、
それが一貫していれば、特定の感情を想起させて、
「何」という概念が、受け手に生み出されるんです。
サービスやプロモーション、
あるいは仕事ぶりみたいなものから、
五感で体験した人が、
情緒的価値の理解に至る構造になっています。
これは顧客側から見た時の話です
では、サービスを生み出す側は、
どうなっているのか?というと、
その逆です。
情緒的価値を与える「何」を
理解してもらうためには、
まずは自分の中で、
「なぜ」を明確にしなければ形にはできません。
「なぜ」という原因構造が
自分の中であるからこそ、
「何」という結果という
サービスや商品が生まれるからです。
これは有名な話ですが、
ぜひ見てみてください。
サイモン・シネックの「whyから始めよう」
「なぜそれをやっているのか?」を語るからこそ、
そこに共感を生む、と解説されてますよね。
成長プロセスにもあるように
「なぜ」とは、「何」の中身のことです。
だから「なぜ自分がそれをやっているのか?」
という感情的なものが入るからこそ、
「何」がより盤石になり物質化され強固になります。
なぜは、原因であり、目的であり、使命です。
なぜという目的が明確であれば
ありとあらゆるサービスや製品に
一貫性を持たせることができ、
その要素は目的に向かうように設計されます。
目的に沿って設計されるということは、
要素すべてに意味が生じ有機的に動き始めます。
そしてその「なぜ」という中身を
第三者が知ることで、人は感情を想起され、
それが自分に合うのか合わないのかが判断されます。
それが、好きなのか、嫌いなのか、
共感なのか、憧れなのか、
何も思わないのか、
こればっかりは人によって異なります。
なぜが含まれたサービスや製品・仕事ぶりが、
あなた自身の価値観や人生観につながってきて、
体現されるからこそ、
「なぜやるのか?」が、
情緒的価値を生み出すのに最も重要なものです。
そして、これが答えとして取り出せた時に、
人生の目的が見えてきます。
さぁそこまで差別化戦略を
昇華できるでしょうか。
話は難しかったかもしれません。
情緒的価値を優先して、差別化戦略をやりきろう
差別化戦略は、基本的には
機能的価値と情緒的価値のハイブリッドで生まれます。
片方だけでも成り立つことはありますが、
やはり不利になることはあります。
機能的価値だけでは、
価格競争に巻き込まれてしまいますし。
情緒的価値だけでは、片手落ちです。
だからこそ、
日々の改善でブラシアップするために、
機能的価値と情緒的価値を引き上げていき
自分に一体どんな作家性(自分らしさ)が
あるのか?を深掘り、形にしていく必要があると思うのです。
そのためには、まずは、自分は一体
どんな感情的な判断基準を持っていて
どんなことを優先するのか?を考えてみてください。
その深掘りが、
結果的に、情緒的価値を生み出す
なぜ自分がやるのか?のヒントになるはずです。
ヒントになったでしょうか。
今回は以上です。